のんびり ゆっくり

たんなるつぶやき

若い世代が流出する問題について語る

「20代の社会人がいない」という話を、昨夜の飲み会で聞いた。

今、高校を卒業した後、進学や就職で都会に出て、そのまま向こうに定住し、故郷に帰ってこない若者がかなり多いらしい。

 

ひと昔前だと「跡取りだから」とか「家業を継がなきゃいけないから」とか、そういう【家への縛り】が強かったから、否が応でも「いつかは帰郷する」という選択肢がずっとついて回っていた。親や親戚もうるさかったし、社会全体が「家を継ぐ」ことを前提としていたし、家に帰らないと非国民扱いだったからね。

 

そのため、いろいろやりたいことがあっても、いつか時期が来たら、そうした夢を全部捨てて、親や祖父母を安心させるために、無理に故郷に帰っていたんだよね。

 

だけど今はナチュラルに「帰らない」とサッパリと決める子が多い。

 

そりやぁ、そうだろうな…。

私の近所を見ていても、無理やり実家に引き戻して「親と同居する」を強行した結果、8050問題の当事者になってしまった…という家が、メッチャ多いんだもん。

夢を捨てて、親との同居という道を選んだ人たちの30年後の姿が『5080』。今は長生き社会だから『6090』とか『70100』という家もある。

 

そんな「親のエゴのゴリ押しによって、親亡き後、一人残される年老いた子」…なんて状況を間近で見せられたら、若い子たちも将来に不安を感じるだろうし、親世代も「私は家に縛られてやりたいことができなかったから、その分、お前は家のことは気にしなくていいから自由に生きてほしい!」と子の背中を押して都会に送り出したくなるよ。

 

 

 

しかし、田舎の年寄りは、どうして同居にこだわるんだろうね。

 

誰と暮らすか?とか、何処で暮らすか?について、「こうするべきだ」「こうしなくてはいけない」と四角四面で考えず、もっと自由に楽にとらえていいんじゃないかな。

 

そもそも、独居を「可哀想」とか「不幸」ととらえることも間違っていると思う。一人暮らしが楽しい人も、世の中にはたくさんいるだろうし、一人になって自由を満喫している人も多くいる。

 

もちろん、賑やかにたくさんの人と一緒に暮らしたい人もいるだろうし、気の合うものと仲良く暮らしたい人もいるだろう。好きな場所に根を下ろして生涯この町で暮らしたいと思っている人もいるだろうし、旅するように自由に暮らしたい人もいると思う。

 

人それぞれ、家族観や人生観も全然異なるし、人の数だけいろんな価値観があるのだから、今までの社会の常識とか慣習にとらわれず、それぞれの幸福感にそった「暮らしのかたち」があってもいいんじゃないかな。こういうのを、もっと尊重していくと良いと思う。

 

若い子たちが外の世界に出て、いろんな体験を積むことは良いことだと思うし、親や親戚の命令で「故郷の家」に無理やり縛り付けるというやり方ではなく、自分の意思と判断で「故郷で暮らすのか?どうするのか?」を決められることが大事だよね。

 

そして、若い子たちが「ここで暮らしたい」と感じるような街にしていくことも大事だと思う。そのためには、親世代もカッコいい大人にならないとダメだよ。

ここで歳を重ねると、こんな素敵な大人になれるんだ。こんな生き方もできるんだ。…と若い子たちが憧れるような素敵な生き方を、私たちもしなくちゃね。

 

二次会の風景。大人たちは語る。