これまでずっと自分に「しっかりしなきゃ!」と言い聞かせ、自分に「絶対に失敗してはいけない」と厳しく責任を課し、いつ誰から見ても「完璧な自分」でいようと緊張して生きてきた人が、ある時、ふとした拍子でうっかりミスをおかしてしまった。かわいらしい失敗が目の前をゴロリ転がる。
以前のこの人なら、自分の失敗を素直に受け入れることができず、ひどい癇癪を起こしたり、失敗を人のせいにしたり、自分を責めたり、失敗を悔いていつまでもクヨクヨ悩み続けたり・・・等、ネガティブな反応をしていたと思う。
ところが今回、この人は「あれれ?もしかして私、ミスしちゃったの?!」とビックリした表情になり、すぐに明るく「あははは・・・」と失敗を笑い飛ばして、周りにいた人に「ごめんごめん」と謝ったり、近くで助けてくれた人に「ありがとう」と言って回ったり…。失敗を素直に受け入れて、明るくサラリと乗り越えてしまった。
結果、ごろりと転がっていた失敗の事実は、後腐れなく「何でもない過去の出来事」と化して、私たちの目の前から静かにスーと消えて終わった。
後に残ったのは、温かくてふんわりした雰囲気。
とりとめも無い小さな失敗は、こんな可愛らしい片付け方で良いんだよね。
その方が皆から信頼されて愛される。
素直に受け入れた方が絶対に得だと思う。
やがて「得」は「徳」になるのだから。